霊界の妻のために天聖経の訓読 吉野重光(三万双既成祝福家庭)
私たちは、息子の浩が東京で統一教会員となり、その父兄会が大分にできて、そこから勉強を始めました。一番最初に感動的なお話があり、これはいいことだから学ばないといけないと夫婦そろって教会に通うようになりました。み言葉はとても面白かったです。
私は勤めがあるので、女房が教会に行って、一生懸命勉強して、家に帰ってきてからいろいろ話してくれました。やがて、三万双の祝福を受けさせていただきました。
明るい性格で、おちゃめなところがあります。姉妹血縁でアメリカに行ったりして、教会活動を熱心にやっていました。突発的で、教会の礼拝から帰ってきたら急に田舎にお墓参りに帰ろうと言ったりして、いつも元気で動きまわっていました。
昇華する前、所属する富士見が丘教会で毎朝5時から5年くらいかけて、天聖教を訓読し、読み終えて喜んでいました。それから一週間くらいで、突然倒れたのです。それまでも高血圧ぎみで起伏が激しく、私から高血圧の薬をもらっていました。
もっと早く専門医にかかっていれば、命が延びていたかもしれないと悔やまれます。普段入院したこともなく、元気でぴんぴんしていましたから、誰も病気について注意していませんでした。ただ、四十代くらいから、頭が偏頭痛すると言っていました。
4月17日は、夕方まではバイクに乗っていて元気でしたが、疲れていたようで、ベッドで横になって休んでいました。そして吐き気をもよおして、うーっと言い出して。その時にたぶん頭の中の血管が切れたのでしょう。苦しそうでしたから、私もあわてて、水をコップに入れて飲ませてあげました。
女房がいないということはすべて初めての体験ですから、何をするにしてもやはり、淋しい、忙しい。しかし生きて食べることもしなければならないと、一人何役もするような感じです。それはもう、歯がゆい思いがあります。まず医者に行って悪い所を治してから、やっていればまだ絶対生きているのではないかと。それが悔やまれてしかたがありません。
夢はめったに見ないほうですが、夢の中で私と実の兄がそこのベッドで寝ていたんです。そしたら足元に女房がきて、足の裏をこちょこちょとくすぐるのです。本当に実感がありました。それで思わず足を引きました。こそばゆくて、「やめてよ」と足を引いて、それで夢だったのかと気がつきました。普段から、女房は明るくてちゃめっけが少しありましたからね。
女房は、昇華後、息子の奥さんに時々現れるようになりました。私があまり霊的な体質ではないから、女房のほうが伝えやすい人にと思って彼女のほうに、出て行くのではないかと思います。
今、写真をベッドの脇に一枚置いているんです。ここで守ってくれよと。財布の中にも、女房の写真を入れて、いつも持ち歩いています。その写真は四月十日、亡くなる一週間前、花見に行こうと二人で行って山で撮影したものです。これが本当の最後の写真となりました。
現在は、或る病院のデイケアー車の運転手をして勤めています。その仕事を終えて家に入る時、「ただいま、かあちゃん帰ったぞ」と、大きな声で言ってから家に入ります。
女房は花が好きでしたから、花だけは気になっていつも買ってきて供えています。
長男の嫁が夢を見たそうですが、二十代くらいのぴちぴちしたお母さんが夢に出てきて、触るその感触があるのだそうです。
息子とこの前、清平に一緒に行きましたが、行く前にとても霊的な夢を見ました。
馬が何十頭と断崖からダダダダアと音がして落ちるのです。それが死ぬのではなく、下のほうから羽根がはえて、四〜五羽の白いはとに先導されてずっと上がって行くのです。そういう風景は、生まれて見たことも聞いたこともないもので、女房が見せてくれたのではないかと思っています。
清平から帰ってきたら、昔の明かりのカンテラを持って、私が暗い夜道を歩いている夢を見ました。すると、私のまわりをいっぱいの人が、その明かりをたよりに歩いてくるのです。ああ、私が倒れてこの火を消すことは絶対出来ないと思いました。暗闇の中をずっと、緊張しながら道案内をして、何十人とついてくるのです。
今、毎朝早く起きて、天聖教の訓読を続けています。それまでは正直言うと本を読むのは好きではありませんでした。それでも女房が生前、条件があれば私もまた出て来れると話をしたことがありますから、私もがんばって読んで条件を作らなければならないと思って、それから続けだしました。ほとんど毎日やってます。
夜は、8時頃から寝ますから、だいたい、朝3時半頃目が覚めます。3時すぎになると、洋服ダンスがパチンと言い出すんですよ。それで目がさめて、それで起きて訓読を始めるんです。なにか「起きなさい」と言われるようで。起きるとそこから天聖教の訓読をはじめます。一時間半くらいです。
朝、訓読を始めるとき、ちゃんと言うのです。「何月何日、朝訓読を今から始めますよ」と女房に聞こえるように声を出して、それから始める。そうすると、部屋の中から2〜3回パチンと音がするのです。私も冗談半分に、「聞こえますか?」と言いながらまた訓読を続けていきます。ですから女房がここに来ているのでしょうね。
それまでは本を読むのは好きではありませんでしたし、女房から「お父さん、訓読しましょう」と言われても素直にうんと言いませんでした。ですから、そういう気持ちにさせてくれたのは、女房の霊界からの働きかけだと思っていまます。